歯科領域と全身の健康状態とは密接な関係があり、肩こり、偏頭痛や腰痛など不定愁訴を中心に歯科領域から全身へのアプローチが盛んに行われています。
 そこで、難治性とされる成人型アトピー性皮膚炎を中心に咬合を中心とした歯科領域での対応を通しての症例をあげています。




現病歴
小児期にアトピー性皮膚炎が発症、以後ステロイド治療を約20年間継続し、もはや奏功しなくなった。
現症
皮疹は上半身中心で、紅潮著しく、はてり感、ソウ疹感も激しく、一部に浸出液もみられた。(図1a)

図1a 治療開始時皮疹所見 図1b 治療3ヶ月後所見
図2 ソフトスプリント装着前口腔内所見 図3 ソフトスプリント装着時口腔内所見

口腔内所見
上顎前歯部隣接面にカリエスが存在するものの歯周組織や口腔粘膜には、とくに異常はみられなかった。(図2)
治療方針
低位咬合が疑われたため、ソフトスプリントによる吸合治療を中心に、漢方エキス剤、化粧品の再検討も行った。(図3)
治療結果
歯科治療開始後、約3ヶ月で著効を得た。(図1b)