歯科領域と全身の健康状態とは密接な関係があり、肩こり、偏頭痛や腰痛など不定愁訴を中心に歯科領域から全身へのアプローチが盛んに行われています。
 そこで、難治性とされる成人型アトピー性皮膚炎を中心に咬合を中心とした歯科領域での対応を通しての症例をあげています。




現病歴
幼稚園の頃、顔面から頸部にかけ皮疹が発生、皮膚科にてアトピー性皮膚炎の診断のもとステロイド外用薬による治療を10年以上受けるが完治せず、ステロイドの副作用に対する危機意織をもったため来院。
現症
おもに頸部から顔面にかけて皮疹が存在、両頬部には浸出液を伴う皮疹が著明でソウ痒感が強かった。

図7a ステロイドの離脱時リバウンドと
思われる皮疹悪化時所見
図7b 歯科治療約7ヶ月の皮疹所見

口腔内所見
金銀パラジウム合金による修復歯、同補綴歯、アマルガムによる修復歯、レジンによる修夜歯が存在。歯周組織の健康状態は金属との接触部を含め良好。
治療方針と
経過:
ラバーダム装着下でアマルガムを除去し、白金加金合金にて置換。治療開始後、皮疹は著しく軽快するが、その後ステロイドのリバウンドと思われる皮疹の悪化がみられ(図7a)、その後皮疹は軽快、以後軽快状態は継続している。(図7b)