歯科領域と全身の健康状態とは密接な関係があり、肩こり、偏頭痛や腰痛など不定愁訴を中心に歯科領域から全身へのアプローチが盛んに行われています。
 そこで、難治性とされる成人型アトピー性皮膚炎を中心に咬合を中心とした歯科領域での対応を通しての症例をあげています。




現病歴
数年前より四肢関節屈曲側に皮疹が発生、皮膚科にてアトビー性皮膚炎の診断のもとステロイド外用薬を投与されるが、副作用の危険性からステロイドを使用しない歯科治療を希望。
現症
四肢関節屈曲側にソウ痒感を伴う乾燥性皮疹がみられた。(図9a)

図9a 初診時皮疹所見 図9b 治療約2ヶ月で皮疹は消失
図10 初診時口腔内所見

口腔内所見
PCRが100%で、歯間乳頭部を中心に歯肉炎がほぼ全額にわたり認められた。(図10)
治療方針
ブラッシングを中心としたプラークコントロールを実施し、PCR50%程度を維持した結果、約2ヵ月で上肢皮疹は消失、下肢も軽快し、以後悪化はない。(図9b)