歯科領域と全身の健康状態とは密接な関係があり、肩こり、偏頭痛や腰痛など不定愁訴を中心に歯科領域から全身へのアプローチが盛んに行われています。
 そこで、難治性とされる成人型アトピー性皮膚炎を中心に咬合を中心とした歯科領域での対応を通しての症例をあげています。




現病歴
小学生の頃発症、その後緩解していたが、18歳の畷、全身健に皮疹が拡大、以後15年間ステロイド外用治療を継続するが奏功しなくなり、ステロイドを中止。
その後、あらゆる治療を試みたが奏功せず、離脱症状に3年間悩んでいた。
現症
ソウ痒感がつよく、各所に掻破した跡がみられ、浸出液も多く、ジクジクしていた。(図4a)

図4a 治療前皮疹所見 図4b 皮疹の変化。治療約2ヶ月
図4c 皮疹の変化。治療約3ヶ月。
皮疹は著しく軽快
図5 処置終了時口腔内所見。

口腔内所見
歯周組織に軽度な炎症症状がみられ補綴物も多数存在するが、歯牙欠損部はみられなかった。
治療方針
右側低位咬合が疑われたため、右側下顎第1大臼歯と右側上顎第2小臼歯を全部鋳造冠で再補綴し(図5)、漢方エキス剤の投与、超酸性水の塗布を併用した。
治療結果
約3カ月で著効を得た。(図4b、c)